知的財産ライセンス収入への道

弁理士によるブログです。安定した収入を生み出すための特許や、ブランドロゴ、ロゴマーク等のロゴに関するブランドを守るための商標登録、web デザイン等のデザインを守るための意匠登録、キャラクター等の著作権の活用、ライセンスのポイント等を紹介しています。

2004年12月

特許取得は大変

■■ 知的財産ライセンスへの道 ■■

  特許取得までは大変  ビジネスモデル等の発明について特許権を活用していくためには、大きく二つの山を乗り越えなければなりません。

  一つは、「特許庁」という行政審査をパスして特許権を得なければならないこと。 もう一つは、「裁判所」という司法審査をパスして侵害者側から損害賠償金等の実利を得なければならないこと。

  「行政上」の山と、「司法上」の山を乗り越える必要があります。

  特許庁により特許を付与されると特許権が発生します。しかし、特許庁の審査官は世界中のありとあらゆる先行技術を調査して特許査定をする訳ではなく、職権の許す限り調査した上で、一応特許しても良いだろうとの心証が得られた段階で特許査定をします。

  一方、特許権侵害により裁判所に訴えられた側は必死で無効理由を探し回ります。場合によっては何十億もの金が掛かっているわけですから、世界中のすみからすみまで調べて無効理由を探し出してくることがあります。

  つまり、特許庁でOKと認められた特許権であっても、個別に見た場合には、裁判に耐えられない特許権があるのです。

  通常特許を取る際には特許庁対策のことばかりに目が行きがちですが、実際の訴訟に耐えられない特許権を保有していても意味はありません。

  特許に関しては、特許出願の前に事前に技術の分かる知財専門家に相談されることをお奨めします。

 侵害者に対して権利行使をしたものの、容易に分かる無効理由があった場合には、逆に相手方からこちらの過失を理由に相手方から損害賠償請求などの反撃に会う場合もあるからです。

知的財産ライセンスの前提となる権利

■■ 知的財産ライセンス収入への道 ■■

 ライセンスの前提となる権利に関係する法律としては、

1.著作権法
2.民法
3.不正競争防止法
4.特許法
5.商標法
6.意匠法 ・・等があります。

  特に著作権法は重要です。米国では著作権法を重視しており、ディズニー関連の著作権の存続期間の満了が近くなると、法律上の存続期間が延長されるほどです。著作権の重要なところは、権利の発生に、申請や登録は不要であるという点です。

 著作物を完成した時点で著作権が得られることになっています。

  これに対し、特許権、商標権、意匠権は、それぞれ特許庁による審査を経て登録されることにより権利が発生することになっています。 著作権が著作物の創作により権利を発生することとしているのに対し、国家が権利を設定登録する点が大きく異なります。

  設定登録により発生する権利の中でも商標権は変わった権利であり、10年毎の権利更新手続きを採ることにより、半永久的に権利を保有し続けることができます。この権利の永続性の面で商標権は重要です。

  これらの権利の特徴についてはちょっとづつ説明して行きたいと思います。

ライセンス収入

■■ 知的財産ライセンス収入への道 ■■

  これから何度も繰り返し言っていきますが、知的財産により安定した収入を得ていくためには人まかせではいけません。自分の権利は自分で守る、という気概が必要です。

  私が業況調査を行った限り、知的財産権を意識して育てることにより安定した収入を得ようとする人は、企業として組織により取り組んでいる方々を除いてほとんどいません。

  Webデザイン、情報起業家、インターネット起業家等の一般の方々は、優れたアイデアを持っていてそれにより起業されているのですが、脇の防御が甘すぎるように思えます。

  私が見る限り、ご自身の知的財産を有効に活用すれば安定した収入の流れを作ることができる方がほとんどです。でも、外見からは自らの知的財産の権利を放棄している様に見えます。なんとももったいないことです。  一例を挙げましょう。

 例えば、子供向けのお菓子などは100万個単位で販売されます。
 このお菓子に、ご自身のキャラクターが採用されたとします。
 どのくらいの収入になるかご存じですか?

  お菓子の販売実勢価格を180円、ライセンス料をこの価格の3%としても、100万(個)×180(円)×0,03(%)=540万円になります。

  もしあなたのキャラクターが採用された場合には、黙っていても数百万円があなたの懐に入ってくるのです。

  もしデザイン関係の仕事をされているのであれば、客のいわれるがままにデザインをするのではなく、自分発のキャラクターを創案することはできないでしょうか。  知的財産をキャッシュに替える手段は案外身近になるものです。まずはご自身の周りに何かタネになるものはないか考えてみるのはいかがでしょうか。

知財専門家を味方につける

■■ 知的財産ライセンス収入への道 ■■

  大きな声で言いますと語弊がありますので、小さな声でそっと言います。

 あなたが知財専門家に助けを求めても、知財専門家はあなたを助けてはくれません。
 理由は三つほどあります。

 1.知財専門家が忙しすぎるからです。
 知財専門家のところへ相談へ行ったとしても、まるで大学病院等の大病院に行って朝から他の患者さんと一緒に並んで、順番がきたらその大病院の先生に病気のことを質問するのと同じ様な雰囲気かも知れません。
あなたの置かれている状況を説明しているところで時間切れとなり、「はい、次の患者さん!」とやられるかも知れません。

 2.あなたのお知り合いの知財専門家が少なすぎるからです。
 あなたがどんなに苦しんでいても、そのことを知財専門家にアピールしなければ、あなのことを知らない知財専門家はあなたのために動いてはくれません。

 3.小さな声で言います。あなたを相手にしても知財専門家は儲からないからです。
 知財専門家は大手、準大手の企業を通常クライアントにしています。そして知的財産についてきちんとその価値を理解し、運用しているのはその様な企業です。

 知的財産に関連する権利の衝突が起こった場合、その衝突事例の多くの場合に、その様な企業が何らかの形で関係しています。
 知財専門家はあなたの側と、企業側と、どちらの側に立つでしょうか。

  一回こっきりしか仕事を発注しないかも知れないあなたの側と、リピートして仕事を発注してくれそうな企業側と、どちらの側に立つでしょうか。

        * * * * * *

 私は業況調査のために時間を見つけてできるだけ多くのビジネス上の会合に出る様にしています。直近3ヶ月間だけでも400社以上の方とお会いしています。

  中には「弁理士と今回初めてお会いしました。」と言って下さる人にお会いすることがあります。

 通常、私は「未だ日本の弁理士の数は少ないですから。」と答えています。
 けれども本当のことを言えば、 「弁理士と今回初めて会ったということは、これまで弁理士はあなたのことを銭にならない人と考えていた、と自分で認めているということですよ。」と私は心の中でぼやいています。

  あなたが銭になる人と分かれば、黙っていても向こうの方から知財専門家が会いに来てくれるはずです。

権利意識に敏感になる

 知的財産によるライセンス収入を得るためには、「何について権利が発生しているのか」ということを十分に把握しておく必要があります。

  自己の保有する知的財産権を第三者に侵害された場合、自分から声を上げないと、周囲の人は何もしてくれません。

  侵害している第三者が、知的財産権を侵害していることに全く気が付いていない場合もあるでしょう。
 また侵害している第三者がいたとしても、権利者とその第三者以外の外部の者が見た場合、通常は「正式なライセンス契約の下に実施、使用しているのか」あるいは「そんなライセンス契約はそもそも存在しないのか」ということについては容易には判別することができません。  よほどのことがない限り、あなたの知的財産に関する権利について注意している人は通常いないのが現状です。誰も権利者のあなたのことを積極的に保護してはくれません。

  ライセンス収入を得て行くためには自分の権利は自分で守る、との気概を持つことがとても大切だと思います。

ビジネスモデルについて特許を受けるために

 こんなビジネスモデルについて特許を受けることができたら良いなぁ、と、ビジネスを行っている方なら一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

  特許権は非常に強力な権利です。特許権を侵害する者に対して差止請求ができるのですが、これをやられた方はたまりません。小規模事業者であれば、手元の商品をキャッシュに替えることができませんから、文字通り息の根を止められた状態になります。

 こんな強力な権利ですから、簡単なビジネスモデルについては特許庁も簡単には特許してくれないのが実情です。

  Aという要素と、Bという要素と、Cという要素を組み合わせたビジネスモデルがあった、とします。 このとき、Aの効果と、Bの効果と、Cの効果がそれぞれあったとして、結果として得られる効果がそれぞれの足し算に等しいモデルは「進歩性がない」として特許を受けることができません。

  1+1+1=3、では特許を受けることができないのです。
 1+1+1=100、くらいのインパクトが必要です。

  「私のビジネスモデルは単なる既存技術の寄せ集めではないのです。」と主張できることが、ビジネスモデルについて特許を受けるための出発点になります。

ビジネスモデルについての特許出願の前に

 現在秋葉原にて特許事務所を経営しています。ビジネスモデルの特許出願を行いたい、という多くの人が事務所に来て下さいます。

  でも、一つ問題があるのです。というのも・・・

  「今実施しているビジネスについて特許を受けたいのですが。」という相談が圧倒的に多いのです。

  実は、「今実施している」という点が問題なのです。

 公然実施された発明は特許を受けることができない旨が特許法29条1項に規定されています。
 自分の発明であっても、公然実施してしまった後は特許を受けることはできないのです。
 この点を私が指摘しますと、7割程の人は驚いた顔をします。
 もちろん、場合によっては特許を受けることができるケースは例外的にはあります。でもそれは本当に例外的と考えて頂いてもらった方が良いと思います。

  特許を受けることのできる発明は、秘密でなくてはなりません。このことは忘れないで下さいね。

知的財産ライセンス
弁理士の平野泰弘です。
東京で新規に特許事務所を開設、こつこつがんばっています。特許、商標、知的財産の情報を発信しています。問い合わせはこちらから
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