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 ここまで特段の違和感なく条約の考え方を見ることができたでしょうか。しかし、
 この条約における考え方は国内法令を扱う考え方とは一線を画すので注意が必要です。
 まず一つ目。

 条約を締結する場合、一国でも「No」といえば総意としての最終意見をまとめあげにくい。
 従って条約の内容は、各国の言い分を寄せ集めた最大公約数的なものとなります。

 そこには我が国の国内法令に見られる様な精緻さは通常見られません。

 次に二つ目。
 条約に反しない限り、どの様にするかはそれぞれの国の自由、ということを説明してきました。
 この考え方はある意味国内法令の考え方とは全く相容れないものを含んでいます。

 例えば、条約に「朝会ったら、挨拶しましょう。」という条項を盛り込んだとします。
 では夕方に会ったら挨拶しなければならないか、というと、その様な合意事項がない限り夕方会ったときに挨拶しなくても良いわけです。

 「朝会ったら挨拶する、ということを決めたなら、夕方会ったときも挨拶するのは当たり前じゃないか」という論理は、国内では通用するかも知れませんが、条約の世界では通用しません。

 条約に反しない限りどの様にするかはそれぞれの国の自由、という考え方は、「条約の精神を理解し、最大限条約に定められた趣旨に則り行動しなければならない」とか「条約に定められた事項に基づいて類推する」とかという考え方とは全く異なります。
 この点が分かっていないと、国同士の交渉の際に混乱してしまうことになります。

 最後に三つ目。
 当然ですが、条約に定められていない事項について、各国が「条約の精神を理解し、最大限条約に定められた趣旨に則り行動しなければならない」という規定を自国内に置くことも、「条約に定められた事項に基づいて類推する」という規定を自国内に置くことも、これまた自由です。

 条約の精神をそれぞれの国がそれぞれの判断で自国において推し進めることは、条約に反しない限り自由です。

 上記の二つ目と三つ目の違いをきっちり使い分けできる様になると、条約を見るときに全体像が良く見えるようになると思います。



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日本では和を重んじますが、各国は自国の利益をまず優先します。この違いが外交上日本がお人好しに映る要因の一つだと思います。