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■■ 知的財産ライセンス収入への道 ■■
 
 職務発明と職務著作(6)「オリンパス光ピックアップ事件(3)」
 
 別にオリンパスに限りませんが、職務発明に関連して訴えられた企業は荊の道を歩くことになります。というのは、
 裁判所では、積極的に自己に有利な主張・立証をしていかないと、有利な判決は得られないことになっているからです。
 極端な話、相手方の主張に全く反論しなければ、相手方の言い分が100%認められてしまうこともあります。
 当事者の間に争いのない事実については、自白したものとみなされてしまうのです。

 黙っていては負けてしまう、ということになっています。

 職務発明に関連して訴えられた企業側は、
・その特許は無効であった
・その特許権はライセンス収入を上げていない
・その特許発明は実際には製品に使われていない
・もう時効となっている
・その発明は、実際は特許部員が完成させたものである

 等の主張をしていくことになります。

 ところが、「無効」であるとか「製品には実際には使われない」等を主張しようものなら、クロスライセンスの相手先から「おたくの会社はそれが分かっていて、我々からライセンス料を取っていたのですか?」、と吊し上げれられてしまいます。

 また、クロスライセンスの契約には「秘密条項」のある場合があり、場合によってはクロスライセンスの存在すら公けにしてはならないとの縛りがある場合もあります。

 通常はあれも言っちゃだめ、これも言っちゃだめ、というがんじがらめの状態で企業は争わなければなりません。

 もちろん元従業者側が有利かといえばそうとも言い切れない事情はあります。実際に事業に関わった人のほとんどを敵に回す他、関係資料も相手方の手元にあるため、追加的に証拠を入手するのはとても大変な状況にあります。

 この様な状況下、裁判所の下した判決はオリンパスにとって厳しいものとなりました。

 オリンパスの言い分を額面通り受け取るなら、無効理由すらあるライセンスに貢献していない改良発明によって、利益の5%を持っていかれる結果になったからです。

 *   *   *   *   *   *

 この裁判のなり行きを見守っていた産業界は騒然となりました。

 今回の判決では元従業員Aが利益の5%を持って行くことになりましたが、仮に、元従業員Aの替わりに、元従業員B、C・・・等が次々と現れて、それぞれが自己の「相当の対価」の支払いを求めて裁判を仮に起こしていたらどうなるのか?

 単なる改良発明にも関わらず20人以上訴えがあった場合には、利益の100%が持って行かれることになるけれど、これはどう考えたらよいのか?

 製品の出荷販売には、発明者だけではなく、工場、品質管理、デリバリー、営業等、多くの方々が実際に貢献しているが、これらの方々とのバランスはどうなるのか?

 育ての親の苦労も知らずに、単に生みの親だけが優遇されるのはバランスに欠くのではないか?

 発明品が売れなかった場合には企業が面倒を見ているのに、製品が売れたときだけ利益を要求するのか?

 ・・等々の様々な声が渦を巻きました。

 こういった流れの中、特許法の職務発明の規定も改正されることになりました。
 新しい職務発明の規定は、この4月1日に施行されます。

 「職務発明」→「改良発明」→「とんでもない」という図式が出来上がりつつあった頃に、とてつもない判決が東京地裁から出ました。

 あの中村教授の青色LED裁判判決です。


★判決文等の資料はこちらに整理されています。
 → 「知的財産情報室H&A」

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★要請を受けて明日から新潟に特許セミナーの講演に行ってきます。ブログは帰ってきてから再開しますので、どうぞよろしくお願い致します。