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■■ 知的財産ライセンス収入への道 ■■
職務発明と職務著作(5)「オリンパス光ピックアップ事件(2)」
この「光ピックアップ事件」は、業界の裏事情が密接に関係しています。この裏事情とは、
特許権のクロスライセンスの存在です。
先日、オリンパスは、ソニーを含む複数のメーカーに数百件の特許権についてライセンスを与えていることを説明しました。
もちろん、オリンパスは特許権をライセンスしているばかりではなくて、他のメーカーから同様に大量の特許権についてライセンスを受けていると思います。
例えばCD装置に関して言えば、大量の特許権群をメーカー同士が互いにライセンスし合うことにより、「CD装置に関しては、特許権の問題についてはお互い難しいことは言いっこなしにしましょう。」との趣旨の契約を裏で結びます。
これにより外部から見る限りは、犬猿の仲のライバルメーカー同士であるにも関わらず、特に問題もなくそれぞれが平穏無事にCD装置の製造販売を実施しているように見える訳です。
仮に、あるCD装置に係る特許権が100件あった、とします。第三者がそのCD装置を製造販売するためには、100件全ての特許権に関する問題をクリアしておく必要があります。
例えば、特許権1件あたり一つの鍵が対応するとすれば、100個の鍵全てが揃わなければ、そのCD装置を製造販売することは原則できなくなります。
100個の鍵全てが揃わなければならない、というところがミソです。99個揃うだけではだめというわけです。
ここで大きく今回の問題に対する視点が分かれます。
一方の視点は、「鍵がなければ第三者は困るわけだから、たとえ一つの鍵であっても、鍵は鍵である」、という立場からの視点です。
他方の視点は、「ちょっと待ってよ。鍵と言ってもそれぞれ個性があるでしょう?必ず使わなければならない鍵から、必ずしも使う必要もない鍵もあるでしょう。それぞれの事情を良く考慮しなければならないのではないでしょか」、という立場からの視点です。
* * * * *
今回取り上げている「光ピックアップ事件」の場合は、
・訴えを提起した元従業員Aのした発明に係る特許権は、先のクロスライセンスのうち、その他多数のうちの一つであったこと。
・ソニー等は、元従業員Aのした発明に係る特許権は、単独でライセンスの対象になるとは認めていないこと。
という事情がありました。加えて、
・元従業員Aは、発明完成にそんなに時間は掛からなかった
・元従業員Aは、10億の請求権を有する(訴状中)
と主張しました。
本当に元従業員Aがした発明がその他多数の特許権に係る特許発明のうちの一つであるとすれば、他の発明者に関する潜在的な訴訟請求額は莫大なものになります。
オリンパスは本当に困難な状況に直面してしまいました。
元従業員Aにお金を支払うとか支払わないとかの次元の話ではなく、
特許法第35条に規定する「相当の対価」とは、一体何をもって正当な相当の対価というのかという点について、間接的ではありますが、それを明らかにしなければならない立場に立たされたからです。
産業界の注目を浴びる中、それは元従業員Aの望むところであったかも知れません。
★判決文等の資料はこちらに整理されています。
→ 「知的財産情報室H&A」
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先日、オリンパスは、ソニーを含む複数のメーカーに数百件の特許権についてライセンスを与えていることを説明しました。
もちろん、オリンパスは特許権をライセンスしているばかりではなくて、他のメーカーから同様に大量の特許権についてライセンスを受けていると思います。
例えばCD装置に関して言えば、大量の特許権群をメーカー同士が互いにライセンスし合うことにより、「CD装置に関しては、特許権の問題についてはお互い難しいことは言いっこなしにしましょう。」との趣旨の契約を裏で結びます。
これにより外部から見る限りは、犬猿の仲のライバルメーカー同士であるにも関わらず、特に問題もなくそれぞれが平穏無事にCD装置の製造販売を実施しているように見える訳です。
仮に、あるCD装置に係る特許権が100件あった、とします。第三者がそのCD装置を製造販売するためには、100件全ての特許権に関する問題をクリアしておく必要があります。
例えば、特許権1件あたり一つの鍵が対応するとすれば、100個の鍵全てが揃わなければ、そのCD装置を製造販売することは原則できなくなります。
100個の鍵全てが揃わなければならない、というところがミソです。99個揃うだけではだめというわけです。
ここで大きく今回の問題に対する視点が分かれます。
一方の視点は、「鍵がなければ第三者は困るわけだから、たとえ一つの鍵であっても、鍵は鍵である」、という立場からの視点です。
他方の視点は、「ちょっと待ってよ。鍵と言ってもそれぞれ個性があるでしょう?必ず使わなければならない鍵から、必ずしも使う必要もない鍵もあるでしょう。それぞれの事情を良く考慮しなければならないのではないでしょか」、という立場からの視点です。
* * * * *
今回取り上げている「光ピックアップ事件」の場合は、
・訴えを提起した元従業員Aのした発明に係る特許権は、先のクロスライセンスのうち、その他多数のうちの一つであったこと。
・ソニー等は、元従業員Aのした発明に係る特許権は、単独でライセンスの対象になるとは認めていないこと。
という事情がありました。加えて、
・元従業員Aは、発明完成にそんなに時間は掛からなかった
・元従業員Aは、10億の請求権を有する(訴状中)
と主張しました。
本当に元従業員Aがした発明がその他多数の特許権に係る特許発明のうちの一つであるとすれば、他の発明者に関する潜在的な訴訟請求額は莫大なものになります。
オリンパスは本当に困難な状況に直面してしまいました。
元従業員Aにお金を支払うとか支払わないとかの次元の話ではなく、
特許法第35条に規定する「相当の対価」とは、一体何をもって正当な相当の対価というのかという点について、間接的ではありますが、それを明らかにしなければならない立場に立たされたからです。
産業界の注目を浴びる中、それは元従業員Aの望むところであったかも知れません。
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