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 職務発明と職務著作(4)「オリンパス光ピックアップ事件(1)」
 
 オリンパス光ピックアップ事件の判決文を最初に読んだとき、目を白黒させてしまいました。というのも、
 上記の光ピックアップ事件についての訴訟は、オリンパスの保有する特許発明群の中核部分を発明した従業員により起こされたものではなかったからです。

 話がややこしくなるといけませんので、最初に結論を示しておきます。

1.東京地裁:オリンパスは発明者のAに250万円等(既に支払った分を含む)を支払いなさい、との旨の判決が下されました。

2.東京高裁:控訴棄却。地裁の結論部分が維持された訳です。
3.最高裁 :上告棄却。ここでも地裁の結論部分が維持されました。

 なお、今回問題となった「光ピックアップ」とは、音楽やデータが入ったCD等の円盤から、光を使って情報を読み取る機構のことをいうものと、ここでは便宜上考えて下さい。

 オリンパスはこの光ピックアップを昔から研究していて、この分野では先駆的な地位にありました。

 オリンパスは、自社が保有する特許権を数百件単位で他のメーカーにライセンスし、ライセンス収入を得ていました。

 オリンパスが取得した特許権の中でも、「諸隈さん」の行った発明は他のメーカーが一目置くものでした。

 ソニーを含む複数のメーカーはこの諸隈さんの特許発明(通称「諸隈特許」)をライセンスの対象と考えていた様です。

 ただし、「諸隈特許」だけをオリンパスからライセンスしてもらったとしても、諸隈特許以外、つまりその他の特許発明との関係で問題が生じては困ります。

 そこでこれらのメーカーはその他数百件の関連特許発明についても念のためオリンパスからライセンスを受けていました。

 *   *   *   *

 ある日、オリンパスの元社員がオリンパスに対して職務発明に関する「相当の対価」の支払いを求めて裁判所に訴えを提起しました。
 あまりにも受け取った対価が低すぎるのではないか、と言うわけです。

 私がこの事件の詳細を知ったのは判決文が公開された後のことですが、判決文を読んで目を白黒させてしまいました。

 同業他社のみならず、多くの企業は口にこそ出しませんが、「何だこれは?」と感じたことと思います。

 その理由の一つ目は、冒頭に示した通り、上記の光ピックアップ事件についての訴訟は、諸隈さんとは全く関係のない、別の元従業員Aにより提起されたものだったからです。


★判決文等の資料はこちらに整理されています。
 → 「知的財産情報室H&A」

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